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少子化という大問題と小学校の統廃合

地域の課題をとらえるときに、どこにビジョンをおき、どの時間軸、空間軸で眺めるかによって、何が重要かはまったく異なる。

それを考えないと「目の前の食っていくことが重要だから、観光に投資しろ!という声と
「数十年後のことを考えて、低炭素・低エネルギー社会にするために投資しろ!」という声が同じレベルで議論されてしまう。どちらも重要なことのはずで、どちらもしっかりと課題をとらえた上で、優先順位をつける必要がある。それは、時間、資金、人、情報に限りがあり、いまできることに限りがあるからだ。

ということで、ここでは、持続可能な地域社会というビジョンの下で、20年〜30年ほどのスパンで、熱海市というエリアで、物事を眺めてみる。



そのときに、このまちが抱える最も大きな課題は何だろうか?




それは、このまちを支える若者がいないということではないだろうか?質の問題ではなく、量の問題として。これからこの問題については、このブログを通して様々な角度から眺めてみたいと思う。

少子化、人口減少、子育て、人財育成、小中学校の統廃合、お祭りなど地域の行事、地域文化の継承、防犯・防災、商店の後継者・・・様々な視点から眺められると思う。


今回は教育という観点から。


平成21年12月の熱海市議会定例会会議録を読んだ。市議会の議事録である。

その中で「熱海市教育振興基本計画」の重点事業26「学校施設の適正規模・適正配置(案)」についての議論がある。つまり、少子化に伴う小中学校学校の統 廃合等の問題だ。特に児童数が少ない桃山小学校、網代小学校等に関わるものである。

川口健、杉山利勝、藤曲敬宏の各議員の方が統廃合の問題について、多角的な視点から質問・意見を述べていて大変興味深い。

細かい議論を抜粋したいところだが、時間もあまりないので、個人的に感じた大きな枠組みを示す。


ここから見えてくる構図は、「地域にとっての少子化や人口減少の問題を”仕方ない”ことで受け入れるしかない」という視点で物事をとらえている行政の姿勢 と、「少子化、人口減少の問題に挑み、解決していけないか」という3議員の姿勢の違いである。これは、議論の対立というより、議論の前提の違いであり、だ からこそ、行政と議員の議論は全くかみ合っていない。

私自身は現在31歳。これからまだまだ現役で仕事をしていく世代であり、子育てを行っていく世代である。つまり、なんとなく数年や数十年をやり過ごせばい いという世代ではなく、これから自分の仕事と生活、そして地域社会と真剣に向き合っていかなければいかない世代である。

ここ数カ月で、熱海の30代や40代前半の方々と話す機会が増えたが、この世代に共通の危機感が間違いなくあると感じている。それはこの少子化のことであ り、それを通して見えてくる熱海の未来のことである。

「少子化や人口減少は仕方ない」では済まされない。そこにもっと真剣に向き合っていかなければ、このまちは衰退してしまう。そしてそんな環境では自分たち の暮らし、そして子どもたちの世代の暮らしにもアカルイ未来が描けない。そう、これはリアルに自分たちの生活に直結する、とても切実な問題なのだ。

その強烈な危機感や問題意識が上に挙げた3議員から、ひしひしと伝わってきた。



この小学校統廃合の問題については私の個人的な動機もある。
「桃山小学校を残したい」ということだ。桃山小OBとして、「桃小を残したい」という思いがある。


しかし、この問題の本質は小学校を残すかどうかという結論にあるのではないと思っている。
市民社会が議論を尽くして、最終的に「桃小は第一小に統廃合しよう」という結論を出したなら、それはそれで仕方ない。この小学校の統合という問題を通し て、熱海の少子化、人口減少という問題にどう向き合い、どう挑んでいくかということを考えていくことが大事なのだと思う。
いま桃小にある目に見える危機は、将来の熱海市全体の危機の前触れに過ぎないのだから。

心の底から危機感を共有する人間が、徹底的に議論していくべき問題であると思う。



杉山利勝議員の意見、植野総務部長の意見を引用する。
「この学校(桃山小)を広く外に向けて生産性のある人口増加策に寄与できないか」

「特徴ある教育が人をひきつけることがあるのではないか」



行政や企業に頼らず自分たちのまちを自分たちで作るしかない、これからの時代にとって、そしてサービス産業で成り立つ熱海にとって、最も大事な資産は 「人」である。

人づくり、教育を通して、熱海を再生する。ひとつの大事な道であると思う。


JUGEMテーマ:地域/ローカル



 

at 08:26, 市来 広一郎, 熱海や社会の現状と課題

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comment
, 2010/04/14 1:22 AM

はじめまして。熱海は出生率が静岡県内でも、突出して低いのですが何か要因があるのでしょうか?
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7260.html
「持家率が低い」「離婚率が高い」「通勤時間が長い」「2世帯が多い」「寒い」と出生率は下がるのですが...

市来広一郎, 2010/04/14 9:08 AM

ありがとうございます。

正直、あまりにもショッキングなデータですね。

そうだろうとは思っていましたが、こういう統計データを目の当たりにすると、これはとんでもない問題じゃないかということがはっきりわかりました。

出生数は少ないと思っていましたが、出生率はここまで少ないとは思っていませんでした。出生率は人口構造には関係ありませんよね。

何が原因なのでしょうか?
「通勤時間が長い」とか「寒い」はまず当てはまらないですが・・・。

, 2010/04/16 12:54 AM

返答、ありがとうございます。
 地元に住んでいる人でも判りませんか。
 伊東市と比べても低いので、なぜ熱海だけが、東京並みに低いのか...不思議だったのですが。
 合計特殊出生率は、適齢期の女性一人当たりの生む子供の数ですので、人口構造には関係ありません(統計処理を役所の方が間違えていなければですが)。村や町でしたら、年変動が大きいですが市レベルでしたら、そんなに大きくありません。
 人口構造は関係ないですが、社会構造・家族構成の影響は受けます。
 独身者が多い、晩婚、核家族などの場合も、数値が下がりますが。
 データはありませんが、歓楽街色が強い街は、ファミリー層には嫌われ、そもそも住まれないので、数値が下がります。
 もっとも、草津や別府は、特に低いわけではありません。少子化は時代の流れですが、熱海は突出しています、まさに、なぜ熱海だけ低いのか?という、なぞは解消されません。

PS
 沖縄、宮崎、長崎、青森など、経済がパッとしないところでも、全国平均より高いので、経済との関係は明確ではありません。

市来広一郎, 2010/04/16 6:23 PM

ありがとうございます。

独身者が多い、晩婚や、シングルマザーが多い、というのはもしかしたらあるかもしれません。統計データを見たことはないのですが。

なぜなのか、きちんと原因を調べてみたいな、と思いました。










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