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いじめが起こる社会構造

以前にいじめについての文章をメディアの観点から書いた。


その後、いじめ問題、というよりそれを生み出す現在の学校の仕組みについて、納得のできる説明をしているものを見つけたので紹介したい。

■書籍
「いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体」内藤朝雄 著

■ビデオニュースドットコム
丸激トークオンデマンド「いじめを無くすためにまず私たちができること」ゲスト:内藤朝雄

私自身、学校の閉鎖性がいじめの根本的な問題なのではないかと感じていたが、いままでなんとなく感じていたことを明確に語ってもらった気がする。
いじめの問題は、学校が一般社会とは異なる場所として神聖視され、一般社会のルールが適用されず暴力までもが黙認されてしまうことと、一緒のクラスになったら常に近くにいなくてはならない、などの学校の閉鎖性の中で対人関係の距離感を調節できないことにある、というようなことが述べられていたと思う。そのような全体主義的共同体的環境を打開していくには、(けんかなどは別にしても)一方的な暴力は決して許されないという態度を示すことであり(ときには警察の力を借りるなど)、多重的な所属ができるような仕組みを作ることである(クラスを廃止する、またはドイツのように部活は学校とは別のコミュニティ、例えばスポーツクラブで行うなど)。

また、受験戦争が子供たちを圧迫し、いじめを生み出しているというどこかで聞いたことのある論理が全くのでたらめだったことも衝撃だった。中学では、学年が上がるほどいじめの発生件数は減少している。その要因のひとつとして、受験勉強という個の競争が生まれるからだとしている。要は受験勉強で忙しくていじめなどしてるヒマはないということだろう。

また、以前このブログでいじめの発生件数について取り上げたが、いじめの発生件数は、小中学校がどれだけの件数を文部科学省に報告しているかがわかるに過ぎない、ということも述べられていた。確かにその通り。前回の私の分析もかなり甘かった。

小中学校にいじめを隠そうとする動機づけが生まれる土壌がある限り、いじめの発生件数は総体数としては意味を持たない。メディアによるいじめブームが起きたときにいじめ件数は跳ね上がるようだ。

それにしても、いじめやそれを生み出す構造については、これほどまでに明確に社会学、社会心理学の分野で研究されているにも関わらず、これがメディアではまともに扱われず、単なるお祭り的な報道しかされていないことに、改めて失望を感じる。




at 01:37, 市来 広一郎, 熱海や社会の現状と課題

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YOKO, 2007/02/01 9:35 PM

マスコミの世界では、子供の世界でのいじめばかりが取り上げられていますが何故でしょうかね?大人の世界だっていじめはあるのに。
むしろ、大人の場合は、家族に対する責任もあり、逃げ場が無いだけより深刻な結末を迎えるケースだってあります。そうした事実を隠蔽しておいて、子供にばかり「いじめはいけないよ」「いじめをなくそう」などときれい事を言ったって、「何だ。大人はウソつきじゃないか」と思われるだけ。全然説得力がありません。

「子は親の鏡」。子供に「いじめを無くそう」と言うなら、まず大人の世界で行われているこういう酷いことを無くすべきなんじゃないでしょうか?

http://nomoreijime.web.fc2.com/shousetu-mokuji.htm

この物語はフィクションということになっていますが…、よく読んでみてください。(ちょっと長くて面倒ですが)そして、こういう会社の商品を買うべきかどうか、よく考えてみて下さい。
皆さんがきちんと正しい判断をすることが、こういう暴力を行えば、社会から非難されるのだと言うことをこういう会社に教えてあげることが、大人の世界でも、子供の世界でもいじめをなくしていくことにつながるのです。
この物語を他の人たちにも教えてあげてください。

http://nomoreijime.web.fc2.com/shousetu-mokuji.htm










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どーでも動画【youtube】, 2006/11/22 7:07 PM

バイクとジェットで競争??ジェト機が勝つに決まってんだろ。・・常識的に考えて。えーっと^^;なんだ!?このバイク!!

ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ, 2006/12/04 11:22 PM

マル激トーク・オン・ディマンド 第293回[11月10日収録] いじめを無くすた...

試稿錯誤, 2007/03/05 4:02 PM

昨晩(3/3)、余り期待しないでNHKのイジメ特番をみた。 学校の先生、校長、文部省代表、父兄、いじめた・いじめられた経験のある生徒や一般人、教育評論家100人程度が参加していた。 なされた発言のなかで、もっともおどろいたのは、現役中学生とおもわ

@いじめ, 2007/03/22 3:37 PM

いじめは複雑な問題を多々含んでいますが、いじめを解決するためにはいじめに対する正しい認識と、知識が必要です。


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